

秋田県立大学の研究室紹介【醸造微生物学研究室(吉川研)】生物資源科学部*応用生物科学科
この研究室では、醸造や製パン等といった、産業応用に必要とされる機能が向上した酵母を育種する方法を確立することを研究目的としています。
主な研究テーマは「酵母の育種」ですが、学生が興味を持てる分野を意識した研究テーマ設定ができます。例として、醸造や製パン、バイオエタノールなどです。この研究室は 2022年度に発足した新しい研究室です。情報共有や情報発信ツールの取り扱いを教員と一緒に学ぶなど、良いと思えるものにどんどん挑戦していきます!

主な研究テーマと内容
自然界から野生の酵母の単離、または酵母の育種によって目的に応じた性質を付与する。この過程で得られた知見を基に、酵母の新たな生理機能の解明を目指しています。
「酵母」とは
酵母は、単細胞の真菌(菌類)の一種です。酵母は、糖分を発酵させてアルコールや二酸化炭素を生成する能力を持ち、これを利用してパンやビールなどの食品の発酵や醸造、また酒精の製造などに利用されています。
また、酵母は生物学や生命科学の研究にも重要であり、細胞生物学や遺伝学、分子生物学のモデル生物として広く利用されています。酵母の単細胞構造や遺伝子の機能、代謝経路などが詳細に研究され、細胞生物学や遺伝学の基礎研究に貢献しています。

学生が取り組んでいる研究テーマ例
・アルコール(エタノール)に強い酵母の育種(醸造に重要)
・冷凍ストレスに強い酵母の育種(製パンに重要)
・高温環境でも育成できる、高温に強い酵母の育種(バイオエタノール生産に重要)
研究室の先生の紹介
吉川 雄樹(よしかわ ゆうき)先生
◆研究内容
自然界から野生の酵母の単離、または酵母の育種によって目的に応じた性質を付与する。この過程で得られた知見を基に、酵母の新たな生理機能の解明を目指しています。
◆研究キーワード
育種、野生酵母、酵母、ストレス応答、アセトアルデヒド、ペントースリン酸回路
◆専門分野
微生物学
微生物学は、微生物と呼ばれる微小な生物に焦点を当てた生物学の分野です。微生物は、細菌、ウイルス、真菌、藻類、原生生物など、さまざまな種類があります。微生物学では、これらの微生物の構造、生理学、生態学、遺伝学、分類学などを研究し、彼らが生活する環境や役割、そして彼らが人間や他の生物に与える影響を理解することを目指しています。
ストレス応答
細菌や真菌などの微生物におけるストレス応答の研究では、高温や低温、酸性やアルカリ性、塩分濃度の変化などの環境ストレスに対する微生物の応答メカニズムの解明が行われています。これには、遺伝子発現の変化やタンパク質の修飾、細胞内シグナル伝達経路の活性化などが含まれます。
酵母の単離
環境中から酵母を採取し、特定の培地(栄養源)で培養することで、単一の酵母株を分離します。この過程では、希釈法やプレート法などが一般的に使用されます。目的は、特定の性質や能力を持つ酵母株を取得することです。
酵母の育種
単離された酵母株を培地中で継代(連続的な培養)して増殖させるプロセスです。継代によって酵母株の性質や特性が安定化し、その酵母株を長期間にわたって保存および利用できるようになります。また、特定の条件下での酵母の適応性や生産性を向上させるために、継代中に選抜や改良が行われることもあります。
◆指導できる学生自主研究の内容
野生酵母の単離、および/もしくは育種を目的としたテーマ
◆吉川先生の詳しい研究情報はこちら➡https://researchmap.jp/yskw
身につくスキル
・無菌操作等の実験操作
・酵母の育種方法と生態に関する知識
・野生の酵母を捕まえ生物種を特定する。という一連の技術
・タンパク質・DNA解析
コアタイム:9時30分~17時30分
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- 住所:
- 秋田県秋田市下新城中野字街道端西241-438
- 電話番号:
- 018-872-1500